外では雨が降っている。
雨、雨、雨。
止む気配は今のところ全くと言っていい程ない。

それもそのはず。昨日の夜から、天気予報では気象予報士が「雨」と連呼していたのだ。
それが突然晴れになるなど、ありえる話ではない。
外に出る気分にはなれず、オレは1人寂しく、部屋のベッドに寝転がっている。


あーあ、暇だ。とてつもなく暇だ。
こんな時、シゲルがいてくれれば、楽しいのになぁ。


シゲルとは幼馴染で、家も隣り同士。
家に呼ぼうと思えばすぐにでも呼べるのだが、こんな雨の日に、
ただ喋るため(オレにとっては大事な時間だけど)だけにシゲルを呼ぶわけにはいかない。申し訳なさすぎる。

オレがシゲルの家に行くのは…行く分には全然問題ないが、
幼馴染とは言えオレの我儘にシゲルが時間を割いてくれるのかもわからない。
シゲルはオレと違って真面目だし、勉強もちゃんとするし、忙しい奴だから気軽に誘えない。


シゲルから誘ってくれたら…なんて、夢みたいなことを考えていると、不意にコンコンという音がした。
音の出所を探るが、見つからない。
すると窓の方から「こっちだよ、窓」と澄んだ声が聞こえてきた。
まさかと思って勢いよく窓を開けると、そこには整った顔の少年が1人。


「そんなに勢いよく開けなくてもいいだろ」
「シ、シゲル…!」


あぁ、なんというサプライズ!!
これはオレの日頃の行いに対するご褒美だろう。絶対そうだ。


「どうして…?」
「君のことだから、何もすることがなく1人無駄な時間を過ごしているに違いない、と思ってね」


そんなスパッと言われても…事実だから困る。
ていうか、オレのことこれだけわかってるなんて…エスパー?


「どうなの?当たり、だろ?」


不敵な笑みを浮かべながら、オレに問い掛けるシゲル。
シゲルはどんな顔してもかっこいい、いや可愛い。


「…当たり」


シゲルは、ほらやっぱりね!っていうような笑顔をオレに見せた。
何だよその笑顔。反則だろ。可愛すぎる。


「仕方ないから、このシゲル君が話し相手になってあげるよ」


うわ…オレの幸せ者。シゲルとの距離は1m、とちょっと。
家が隣りで、そして近くに建っていてよかったと、本当に、心の底から思った。




それから1時間くらい、他愛もない話をした。
オレはもちろん楽しかったし、シゲルも笑ってくれたから、楽しかったんだと思う。
すると今までザーザーと降り続いていた雨が、急にふ、と止んだ。


「あ…雨…止んだ」


オレがそう呟くと、ホントだ…とシゲルも呟く。
あの予報はどうしたと言うのだ。1日中雨が降り続くと言っていたあの予報は。
こんなにも雨を慈しんだことが、今までにあっただろうか。

しばらくの間、お互い喋らないで、黙っていた。
シゲルが思ってることはわからないけど、オレはもうシゲルと話す時間は終わりなのかも…と、何とも言えない虚無感に見舞われていた。


「なぁ、シゲ」
「また、さ…」


オレが「シゲル」と言い終わる前に話し始めた。
シゲルは少し頬を染めて、オレから目を逸らしていた。
オレは、シゲルの表情を見て五月蝿くなる心臓を落ち着かせながら、シゲルの言葉の続きを求めた。


「何…?」
「また、雨の日…には、こうやって、話したり…しようか…」


最後の方は、シゲルにしてはとても小さい声で、普通なら耳を澄まさないと聞こえないくらいだった。
しかし、雨音もしない静かなこの空間では、その声がオレの耳に届くのは造作もないことだった。

…ていうか。今、何て言った?
またオレと話す?この距離で?シゲルがオレと話してくれる?


「ま、じで…?」
「サ、サトシがどうしてもって言うんなら…だからっ!」


今までに、ここまで顔を赤くしたシゲルを見たことがあっただろうか。
オレの顔は自然とニヤける。
そのニヤついた口元を必死に隠すが、嬉しさが込み上げて、なかなか止まらない。


「笑うなってば…っ」
「ゴ、ゴメンっ!…オレ、どーしても、シゲルとお話したい、です」


ちゃんと「どうしても」ってお願いしたら、シゲルは少し満足そうな顔をして「…仕方ないな」って言ってくれた。




それから雨の日は、こうやって2人で過ごすのが、オレたちの決まりになった。
こんな雨の日でも、君と過ごせばどうしようもないくらい、心が晴れるから。


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か、書けた…書いてやりましたサトシゲ文!!うあー、恥ずかしい。笑
タイトルは本館から引っ張り出してきたお題です。自作。(ちょっと宣伝
もう何ていうか、まとまりのない文章ですいませんorz
これから精進致します…!

2008/05/19

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